植物は意志を持っている

植物は意志を持っている

植物は賢い。

人間のように話すことができなくても、揮発性有機化合物(VOC)を気孔から放出することで、コミュニケーションをとっている。例えば、昆虫に食べられた葉っぱは特定の匂いを発し、その昆虫の天敵を呼び寄せる効果がある。また、それは周囲の植物にも伝わっており、VOCを感知した植物は防御反応を示すことが分かっている。動けないからこそ、独自のコミュニケーション方法を進化させてきたのだろう。植物は、人間の想像をはるかに超えて、20以上の感覚を持っていると言われている。人間が5つだと考えると、いかに違うのかが分かるだろう。

ただし、植物が動けないということも間違った認識かもしれない。

アメリカの「コロラド大学ボルダー校」の研究者が発表した論文は、植物について改めて考えさせられる内容だ。

気づいている人は決して多くはないだろうが、植物はまっすぐ伸びているのではなく、グルグルと円を描きながら背が伸びていく。タイムラプス動画で発芽の様子から成長過程を観てみると、すぐに分かるだろう。この行動の理由を知るために、研究者はヒマワリの成長を分析できるコンピュータープログラムを開発。

ヒマワリ自体を動かさないと、ヒマワリは一直線に伸びることを確認した。一方で、ヒマワリを頻繁に動かしたら、いろんな方向に成長することが分かった。そして、適度にランダムに動かすと、現実と同じようにくねくねと成長するということを突き止めた。

研究者は、植物はこの動きによって最も効率よく太陽光が当たる場所を見つけようとし、その方向に向かって伸びていく習性があると説明している。

植物は意志を持って動いているのだ。

こうした知識を得ることができれば、植物は受動的な存在ではなく、能動的に環境と関わる存在として捉え直すことができるだろう。

出典:Noisy Circumnutations Facilitate Self-Organized Shade Avoidance in Sunflowers

参考:Why do plants wiggle? New study provides answers / University of Colorado Boulder

「Field Note」では、慣行栽培や有機栽培、自然栽培などの垣根を超えて、学びのあった内容、取り入れたいアイデア、視野の広がったインスピレーションについて書いています。comorebi farmは、農薬や化学肥料、除草剤、防腐剤を使わずに、身近にある資源を使って有機栽培に取り組んでいます。

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