カロリーゼロの環境負荷

カロリーゼロの環境負荷

アステルパーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アドバンテーム……これらはコンビニやスーパーマーケットで販売されている商品にも使われている人工甘味料だ。その中でも、ここで挙げた6種類は化学合成で人の手によって作られた合成甘味料に分類される。砂糖と比較して同じ消費カロリーなのに甘味度は何百倍も高い。

砂糖よりも甘味度が高いのに消費カロリーはゼロ。すっかりと日常生活に馴染んでいるけれど、よくよく考えてみると、にわかに信じがたい効果だ。自然の摂理を超えているからこそ、体内に摂取することに賛否両論あるのかもしれない。

そんな人工甘味料にまつわる論文がアメリカの「フロリダ大学」より公開された。対象となったのはスクラロース。これは舌の表面に分布している味覚を感知する「味蕾(みらい)」の受容体と効率よく結合するため、ごく少量でも甘みを感じやすい特性がある。甘味度でいうと、砂糖の200〜600倍だ。さらに、人間の体内で消化されないためエネルギーとして吸収されず、そのまま形を変えずに排出される(だからカロリーゼロというロジック)。

今回の研究では、その排出された後のスクラロースは生態系にどのような影響を与えるのかを調査している。

研究者は淡水域と汽水域の土壌サンプルを採集し、そこにスクラロースを添加し、土壌サンプル内に含まれる「珪藻(海洋食物連鎖における一次生産の30%以上を担う微小な藻類)」と「シアノバクテリア(最古の光合成生物や植物の祖先と呼ばれる酸素を生み出すバクテリア)」の挙動を追った。

実験の結果、淡水域の「珪藻」と汽水域の「珪藻」は、スクラロースにさらされた後に全体的に減少。一方、淡水域の「シアノバクテリア」はスクラロース投与の後に上昇したが、汽水域の「シアノバクテリア」は急上昇の後に激減した。

これは整った環境での実験だったため自然界とは環境が異なると前置きをしつつ、研究者は「スクラロースが微生物の個体数を増加させたり減少させたりする効果があるのは、生態系のバランスを崩してしまう可能性がある」と語っている。

スクラロースは人体に影響はないと言われているが、もっと視野を広げて考えると、生態系に悪影響を与えているかもしれない。生態系そのものを思考の土台にすることで、ものごとの繋がりがよく見えてくる。この研究は視野を広げる大切さを教えてくれた。

出典:Sucralose (C12H19Cl3O8) impact on microbial activity in estuarine and freshwater marsh soils

参考:UF study reveals environmental impact of artificial sweeteners / University of Florida

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