こんにちは。comorebi farmの小嶋です。
今日は連載の2回目(1回目はコチラから)。「自然な土壌をつくる」ということについて紹介しようと思います。
comorebi farmは3つの畑で柑橘を栽培しているのですが、そのうち2つは因島で代々農業を営んできた家系の畑です。農業を引き継ぐ後継者がいなかったので、新規就農した僕たちにバトンがまわってきたって感じです。
80代の持ち主の方からは、そこの畑がどのように管理されてきて、その畑が関わる人にとってどんな存在だったのかを教えてもらいました。
簡潔にまとめると「みんなで管理して、みんなで楽しむ畑」です。
春にはみんなで一気に剪定をして、夏や秋にはみんなが当番制で草刈りをして、冬にはみんなで楽しく収穫する──。
そんな畑をcomorebi farmは引き継いだんです。
では、僕らがやることは何か? そう考えたときに真っ先に出てきた答えは、「僕らの代で農園を絶やさずに、しっかりと次世代にバトンタッチする」でした。
世代を越えて管理されてきた畑なので、僕らも同じことがしたいんです。
これを最大の目的とするのであれば、もちろん農法にも影響が出てきます。だって、畑から搾取してしまったら、次世代に良い状態で渡せないから。
……となると、やるべきことは明確になってきます。
大切なのは「土壌の健康状態を考える」です。
土壌が不健康だったら、柑橘の木たちも不健康になってしまいます。そうなったら、収穫できる果実も美味しくないと思います。一方で、土壌が元気だったら、柑橘の木たちも元気になるし、美味しい果実を実らせると思うんです。
だいぶ感覚的な話ですが、僕はこれで筋が通っていると考えています。
それでいて、何世代にもわたって農業を続けていくのであれば、搾取をしてはいけません。理想のかたちは多様性に満ちた自然界に存在する土壌です。そうやって自然はずっと成り立っているから。
でも、だからといって、何もしないでいると品質を保証できません。そもそも畑には、自然界の法則以上に柑橘の木々が植えられているので、放っておくだけだと搾取状態になるんです。たぶん。
つまり、搾取をしないながらも土壌の健康を促進する──自然な土壌をつくる必要があると思うんです。
そんなことを心がけて、土壌には微生物資材を使用することにしました。土壌の微生物を増やすことで、有機物や病原菌を分解してもらい、病気に強い土壌になるように。予防医学みたいな考え方です。
正直、土壌に関してはまだ分からないことばかりです。ここで言っていることでも、正しく機能していないと思ったら、すぐに軌道修正します。そんな感じでcomorebi farmなりの農法をつくっていけたらいいなと思っています。