何世代にもわたって柑橘農業を続けていくのであれば、もっとも大切にするべきものは土壌だと考えています。その理想のかたちは多様性に満ちた自然界に存在する土壌。農業を営んでいるため矛盾を抱えていますが……私たちは自然な土壌を可能な限りつくり上げることを意識しています。

土壌の次に大切なのは植物です。植物に元気がなければ、食べて楽しくなるような果実はつくれません。でも、だからと言って、無理やり元気にさせても意味がありません。しっかりと時間をかけて、自然にそだてていく──そうすることで、自然の可能性を最大限に引き出せるはずです。

健康な土壌で元気にそだった植物は、いったい、どんな果実をつくってくれるのでしょうか？ それはきっと、何度でも食べたくなる味。そんな自然の魅力がつまったものを世の中に広めていくことこそが、私たちのやりたいこと。それを実現するために試行錯誤を重ねていきます。